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YSC伊藤純一 大島NAVレポート 2026/5/5
1.出発前準備
当初の予定では知覧・鹿屋の慰霊フライトをさせていただく予定でしたが、前後の日程の雨と強風で残念ながら中止に。旅客機で知覧には行ったのですが、実施予定だった1日、2日は風が強く、とても実施できる状態ではなかったので、早めの判断に感謝です。
きっと、「お前にはまだ早い」とご先祖様たちに言われたのでしょう。また来年以降、自分自身の技量を上げて慰霊フライトを出来るように訓練を重ねます。
さて、気を取り直して迫田さんが近場の島NAVをしようと言ってくれたので、これは絶好の訓練の機会と思って立候補しました。選べるなら神の島と言われる神津島に行ってみたかったのですが、風向きと滑走路の方角を考慮して大島に行くことにしました。
事前に以下のように指示をいただきました。
「航法計画を作ってみて下さい。初めてなので、コース(方角)と、距離が最低わかっていれば大丈夫です。速度は75ノットで使用燃料は1時間13リッターで計算してみて、時間と使用燃料を割り出してみて下さい。」
事前に机上で学ばせてもらったものの、実際に作ると理解しきれていない部分があり、思い出し、復習しながらの作業で、やはり実際に自分で作ることの大切さを実感しました。
初めてでしたので、クラブの先輩が書いてくれた航法計画を参考に作成させていただきました。先に学んで、惜しみなく教えてくれる先輩がたくさんいることも非常に心強いです。
当初は天竜川河口から海岸線をなぞっていくプランを立てていましたが、当日のグリーフィングで、浜北滑空場でTOCを行い、浜北滑空場から御前崎に直接向かい、石廊崎から大島に向かう計画としました。その場で方位、角度を修正しました。
そして、フライトプランのオープンの電話を迫田さんにしていただきまして、計画しているコース、時間を事前に伝えて、万が一遭難した場合の捜索の手がかりとすることを学びました。登山と一緒ですね。今回はやり取りを隣で聴かせていただきましたが、こういうこともしっかり学ばないといけないことを理解しました。
ここまでの事前準備、計画の中でナビゲーションの三要素が、位置、針路、時間と習いましたが、それをしっかり計画立てることの大切さ。そして、計画時点でほとんど決まっていることを実感しました。
2.往路のフライト
朝7時に格納庫に集合して、リトカーで滑空場に行き、グローブとご対面。今日よろしく!と挨拶しつつ、養生を外して、点検を済ませ、燃料は計画では最低40 Lと割り出しましたが、念のため多少多めに燃料を入れました。
そしていよいよ出発ですが、そして北に向かって離陸し、高度を上げて2500ftまで上昇して、浜北滑空場上空からNAV開始。御前崎に直接向かうということで真方位126°に7Wを足して133°に進路を向けると実際に御前崎の突端がほぼピッタリと合う。当たり前と言えば当たり前ですが、事前の計画の大切さを実感しました。
そして、2500ft、130km/hを狙って真っ直ぐ飛ぼうとするわけですが、高度も速度もなかなか定まらないし、左右に上下にどんぶらこと揺れてしまう。高度は自家用であれば±200ftに抑える必要があるとのことですが、それを超えてぶれてしまいました。
以下のようなアドバイスをいただきました。
・力が入りすぎている。操縦桿は強く握るのではなくて、ふわっと包むように。力を抜いて、必要な時に修正舵を入れる。
・手と足は同時に。操縦桿と足を連動させる。
・視線はできるだけ遠くを見る。7割は外を見て、計器は時々確認するのみ。
アドバイスを受けて少しずつは真っ直ぐ飛べるようになってきました。
そうこうするうちに御前崎の突端に近づいてきました。御前崎灯台を変針点にするわけですが、真下に来てしまうと見えないので、羽の先端で別の目標物を見て変針点を決めることを教わりました。
いよいよ、陸地を離れて初の洋上飛行。石廊崎に向かって飛びます。今回は非常に視程が良く、御前崎上空から既に石廊崎が見えていました。計画の進路96°に向けるとほぼ石廊崎先端に合う。石廊崎先端と、計器を時々確認しながら進みました。石廊崎の地形も見ながら行きましょうということで、石廊崎灯台の真上ではなく、少し外側に振って大回りして大島空港に向かって最後の変針をしました。
大島に近づいてくると、VORDMEの電波を受信し、残りの距離、現在の速度、残り時間が表示されることに感心しつつ、30°方向に滑走路がある大島空港に対しては一旦120°に振って、90°旋回してアプローチしていくことを学びました。無線でのやり取りや、着陸はほとんど迫田さんにやってもらいましたが、これが自分で出来たら本当に楽しいだろうと思い、改めてしっかり学んでいこうと決意を新たにしました。
そして、無事着陸!自分たちの操縦で空港に着陸出来るなんて、感動です。しかも通常なら便の悪い大島に浜北から1時間ちょっとで来られるなんて信じられない。本当にありがたい環境だと思いました。
往路のフライト時間は1:03でした。
3.大島観光
無事に大島に着いたのですが、GWということもあり、レンタカーの空きがない。ひとまずバスで元町港に向かって、腹ごしらえ。「かあちゃん」というお店で名物のべっこう寿司と磯ラーメンを食べました。べっこう寿司は地魚のぶ鯛を漬けにしたもので、ちょっと発酵させているのか酸味も効いていました。磯ラーメンは蟹やサザエ、のり、ワカメなどが入った磯の香り満点のラーメンでした。
そして、レンタカーがなかったので、原付を借りて、2台で島内ツーリング。久々の原付も乙なもんで楽しかったです。途中、断層が見える通称バームクーヘンを見てきました。大きな地殻変動があったこと、地球のダイナミックさを実感しました。
その後、波浮港まで足を伸ばして、伊豆の踊り子の舞台であった旧港屋旅館、元踊り子の里資料館に行ってきました。今ではひなびた街ですが、大正、昭和の時代はここで毎晩、宴会が繰り広げられていたかと思うと、古き良き昭和と、時代の流れを感じました。
島京梵天というカフェでたい焼きと明日葉パフェを食べて、スイーツも満喫しました。
最後は元町浜の湯。男女混浴(もちろん水着着用)で伊豆の山々や富士山まで見える絶景温泉に入って疲れを癒し、帰りのフライトに備えます。
バイクを返却して、運良く島に9台しかないというタクシーを捕まえて、空港に戻りました。
4.復路のフライト
復路は当初先輩のプランを参考に稲取➡︎相良➡︎浜北のルートで考えていたのですが、迫田さんから伊東➡︎美保➡︎藤枝➡︎浜北のルートも良いよ、と教わり、洋上飛行が短く富士山が綺麗に見えると思われるこのルートに変更することにしました。
離陸して、高度を上げながら324°方向に針路を向けます。すると思った通り、富士山が正面に見えて感動!324°方向の頂上から少し左あたりの山の中腹あたりを目指すことにしました。山もあるので3000ft、150km/hを狙っていきます。無事に大島からの洋上飛行を終え、伊東市上空へ。天城越えの天城山を横目に見ながら美保の松原に向かって285°の方角に飛んでいきます。実際には清水港の港湾が見やすく、そこに向かって飛んで行きました。清水港上空で藤枝の方向に向かって246°方向に旋回し、藤枝付近で浜北に向かって変針しました。
浜北滑空場には誰もいないので、最初に高度を下げて下見をして、人がいないことと吹き流しを確認します。(人がいたことがあったらしいです。)それからもう一度アプローチして無事に着陸。復路は少しずつ慣れてきて往路よりは安定して飛べるようになってきましたが、まだまだ高度と左右のブレが無くならないので、アドバイスを思い出しながらしっかり訓練を重ねて行きます。
復路のフライト時間は1:09でした。
最終的にガソリンを確認すると、27L使用。燃費は12.3L/hと想定の13L/hより若干良かったです。
月一回の講義、そして、九州NAVに向けて迫田さんがやってくださった事前のNAV講座。頭で理解したつもりになっているのと、実際にやってみるのでは全然違う。
一つ一つ思い出し、理解しながら、実践する。そうすると、しっかり身に付く。今回は右も左も分からず、先輩のプランを参考に計画作成させてもらいましたが、これでNAV作成のコツや流れが理解出来たし、日本中いろんな場所に行けることが分かったので、いろんな場所のNAVシミュレーションしてみようと思います。
今回は天候がとても良く、往路の石廊崎や帰路でも伊豆半島と清水港が最初から見えていたので不安は少なかったですが、視程が短く目的の島が見えない場合は事前の計画が非常に重要だと実感しました。
また、実際に1日で2時間飛ばせていただいて、短時間ではなかなか掴みにくい操縦のコツが少しは掴めた気がします。
このような自分で空を飛べて、大島に旅行ができるなんていう、普通では出来ない貴重な機会をいただき、本当に感動で、人生が変わる経験でした。丁寧な指導と、島での時間含めて、1日お付き合いいただいた迫田さんには感謝しかありません。今後ともよろしくお願いいたします。
YSC 伊藤純一
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